2013年4月26日金曜日

Lincoln(リンカーン)【シネマレビュー】

2012年 アメリカ
監督・製作:スティーブン・スピルバーグ
音楽:ジョン・ウィリアムズ

【出演】
ダニエル・デイ=ルイス、
デヴィッド・ストラザーン、
トミー・リー・ジョーンズ、
サリー・フィールド

 個人的点数:85点



名監督による紛れも無い名作。
人類史に残る歴史的事件を横で体験しているかのようでした。伝説的名優ダニエル・デイ=ルイスの演技も然ることながら、トミー・リー・ジョーンズや他のおっちゃんたちなど、出てくるのは爺ちゃんばかりなんですが、ベテランの素晴らしい演技ばかりです。
若者ウケなど一切必要のないこういう地味な話でも進めることができるのはスティーブン・スピルバーグというネームバリューがあってのことかなと思います。

『シンドラーのリスト』も名作でしたが、最後のいかにも!という演出とはまた違い、重要なシーンであるはずの南北戦争の凄惨な戦闘シーンは冒頭のみで他は一切なし、肝心の投票結果が出るシーンは映さない、劇場で暗殺されたということも敢えてそのシーンを映さず全然関係ない息子の劇場でそれを伝えるという、一番肝心な場面を映さないという演出がハリウッドらしい嫌らしさや大げささの全くない淡々としていながらも鬼気迫るようなピリッとした雰囲気に仕上がったんじゃないでしょうか。リンカーンを聖人として描かないことも二重丸です。

映画は『踊る大捜査線』くらいしか観ませんっていうような人には地味と捉えられるかも知れません。じっくりとした骨太の人間ドラマが好きなんだって人向けの映画ではあります。

また近代史がさっぱりでという人は、ウィルミントンの戦いや、グラント将軍やリー将軍など歴史の超重要ポイントについて簡単に予習をしておくといいかも知れません。

しかし、この映画は私もどうしても外国の歴史として見てしまうので、アメリカ人の特に黒人の方なんかはどのように捉えるのだろうと興味があります。



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